今回は、ごく身近にある、色のチカラを視覚的に使った例を見ていきましょう。
意外に近いところにも、考えて使われている色があるかも知れません。
カメラのボディはなぜ黒色が多い?
デジタルカメラや一眼レフカメラ、昔よく使用した使い捨てカメラまで、カメラのボディは黒色の物が多いですよね。
ファッショナブルなものや、カラーバリエーションとして他の色が使われているものもありますが、黒のバリエーションが無いカメラはほとんどありません。
それはなぜか?黒は光を吸収する、つまり光の反射が少ないからです。
写真を撮る際、光の具合は写真の出来映えに大きく影響します。
白など明るい色のボディだと、光の反射が強く被写体に影響するため、カメラのボディは光を吸収してくれる黒が多いのです。
野球選手が目の下に黒い▼のペイントをしているのもそのため。
目に入る光を軽減して、球や相手の動きをよく見るために行っているものなんですね。
みかんはなぜオレンジ色のネットに入っている?野菜や果物に活かされる色のチカラ
色のチカラを使った身近な例の代表格、野菜や果物に活かされる色。
みかんは濃いオレンジ〜赤色のネットに、オクラは緑色のネットに入っています。
これは【色相環】で隣り同士の色を並べるとお互いに影響し合って似通った色になってしまう【同化現象】を利用したもの。
色相環を簡易に表した物がしたの図なのですが
出典:iro-color.com
橙色の隣は赤ですよね。つまり橙色のみかんに赤いネットをかぶせることにより、より赤みが増し、鮮やかに熟れて美味しそうに見せる効果があるのです。
オクラも同じように、黄緑〜緑のオクラに濃い緑のネットをかぶせることによって、より濃く鮮やかで、美味しそうな緑色に見せることが出来るのです。
試しにネットから出した物と、ネットに入れた状態の物を比べてみて下さい。
色の効果画しっかりと感じられると思いますよ!
また、【補色効果】を使った例もあります。
ほうれん草は赤紫のテープで束ねられている事が多いですよね。これは色の補色効果・対角線上にある色同士はお互いの色を引き立てあう、という効果を利用したもので
赤紫色のテープで、ほうれん草の緑色を引き立ているのです。
このように商品はより良く見えるよう工夫をされているため、消費者が物をしっかり見極めることも必要かも知れませんね。
なぜ引っ越し屋の段ボールは白い?色と重さの関係
段ボールと言えばベージュ…ですが、引っ越し屋の段ボールは白い物が多いですよね。
それは、重い荷物を運ぶ作業員の負担を軽くし、作業効率を上げるため。
色は白に近い明るい色ほど軽く見え、黒に近い暗い色ほど重く見えるという効果があり、これを利用したものなのです。
同じ重さの白い箱と黒い箱では、白い箱のほうが軽く感じると答えた人の方が圧倒的に多いという結果も出ており、効果的に利用されている例のひとつです。
これは私たちの日常生活にも活かす事ができ、重たい荷物を入れるケースやリュックは白に近い色にした方が、疲労感が軽減されます。
今日のポイント
色の効果と言われるとピンと来ない方も多いかも知れませんが、身近には沢山の活用例があります。
日常生活に活かせる物も多いので、身近な例からヒントを得つつ、色の効果を上手に活用していきたいものですね。