マンセル表色系とは
マンセル表色系は、アメリカの画家で美術教育家のマンセルが創案し、その後アメリカ光学会(OSA)が視感評価実験をして修正したものです。
●色相・明度・彩度それぞれについて均等に尺度化された、カラーオーダーシステムの代表的なもの
●色表示に適しているため、JIS Z 8721「色の表示方法-三属性による表示」に採用されており、世界的に多くの分野で利用されている
色の3属性全てを記号や数値で表現出来るため、色を正確に表示・伝達することが出来ます。
それでは、色の3属性の表示方法を見ていきましょう。
色相(H)Hue ヒュー
基本5色相…赤(R)・黄(Y)・緑(G)・青(B)・紫(P)と、中間5色相…黄赤(YR)・黄緑(GY)・青緑(BG)・青紫(PB)・赤紫(RP)を合わせて10色相。
この各色相を10等分して1〜10の番号をつけ、計100色相。
5の番号が付く色が、その色相を代表する色です。
また、色相環の対向位置にある色は物理補色になります(例:RとBG)
明度(V)Value バリュー
理想の白を10、理想の黒を0とし、灰色を入れて11段階。
これは理想値なので、実際に色票化できるのは一番明るい9.5(白)〜1.0(黒)までになります。
有彩色は同一明度の無彩色と視感反射率が等しいとされます(補助標準イルミナントCの元で)
マンセル色立体(上図)では、上に行くほど明度が高く10に近づき、下に行くほど明度が低く0に近くなっています。
彩度(C)Chroma クロマ
無彩色からどれだけ離れているかを表します。
上の図はマンセル色立体の平面図ですが、色立体の中心軸から離れるほど彩度が高く・鮮やかな色だということが分かります。
無彩色の彩度を0とし、色みが増すにつれて1、2、3…と増加します。
彩度段階は色相により異なるため、例えば5R(赤)では14までありますが、5BG(青緑)は8までしかありません。
そのためマンセルの色立体はいびつな形をしており、カラーツリー(色の樹)とも呼ばれます。
色の表示方法
色相(H)・明度(V)・彩度(C)が分かったら、それらを利用して色を表示することが出来ます。
・有彩色…HV/C(色相 明度/彩度)→例:5R 4/14
・無彩色…NV(頭にNaturalのN)→例:N7.5
☆豆知識 〜マンセルの彩度について〜
色相により上限が違う彩度は、マンセルの中でもっともややこしい部分ですね。
彩度は0〜14までとされていますが、実際には0は無彩色を意味するので、表記されることはありません。
また現在は14までですが、今後もっと鮮やかな色が見つかれば追加される可能性もあるそうです。
まだまだ色の世界は深いと言うことですね。
Point
マンセル表色系は、アメリカの画家で美術教育家のマンセルが創案し、その後アメリカ光学会(OSA)が視感評価実験をして修正したもの。
色相・明度・彩度それぞれについて均等に尺度化された、カラーオーダーシステムの代表的なものです。
色相(H)・明度(V)・彩度(C)で表記され、色を数値化して正確に表示・伝達できるため、世界中で使用されています。
▶マンセル表色系